宵の月、秘めたる契り―帝に愛された二人の女御―
静かに始まった口づけは、ふれあうだけの優しいものだった。触れるたびに、詠子の表情がやわらぎ、心が帝へと近づいていく。

指が、頬を、うなじを、肩を撫でていく。

そのたびに詠子は目を閉じ、ゆっくりと帝の胸に身を預けた。

「怖くないか?」

「……もう、怖くはありません。帝が、優しいから。」

その言葉に、帝の心がじんと熱を持った。

やがて、二人の身体が一つになるその時――

詠子は小さく声を洩らしながらも、帝の肩を掴み、離れようとはしなかった。

「大丈夫……です。私、今……幸せです。」

その言葉に、帝はただ深く息を吐き、そっと詠子の名を呼んだ。

「詠子……」

夜は更け、しんと静まる御殿の中、

二人の心が確かに結び合う音だけが、微かに響いていた。

「んんん……」

詠子の小さな呻き声が、静かな夜に溶けていく。

痛みに耐えながらも、帝の欲望に応えようとする姿が、いじらしくて、胸を締めつけられた。

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