今日も推しが尊いので溺愛は遠慮いたします!~なのに推しそっくりな社長が迫ってきて!?~
「俺とほぼ同じスケジュールで動いているんだから、知らずに疲れもたまっているだろう。今夜はゆっくり休みなさい」

慈しむような眼差しが芽衣子に向けられる。雪雅は非の打ちどころのない素晴らしい上司だ。

(部下思いのこの性格もルイさんにそっくりなのよね。そんな人の下で働けるなんて私って幸せ者だわ)

「もったいないお言葉をありがとうございます」

軽く頭をさげたあと、きっぱりした口調で続ける。

「ですが、体調不良ではないので仕事は通常どおりにやらせてください。社長のお気持ちだけで十分ですので」

変わらぬ表情で淡々と話す芽衣子に、彼はクッと喉の奥で笑った。

「わかった。君らしいな、いつもクールで」
「すみません。愛想がないとよく言われるのですが……自分では改善策がわからなくて」

きっちりと仕事をこなすのは得意だけれど、笑顔を振りまいたり、冗談で場をなごませたりするのは苦手だった。芽衣子が感情豊かになるのはゲームをしているときだけで仕事中はどうしてもスンと無表情になってしまう。

欠点を指摘されたのだと思って謝罪すると、彼は苦笑して首を横に振る。

「あぁ、そういう意味じゃない。改善する必要はないよ。君のそういう生真面目さを、俺は好ましいと思っているから」

ルイそっくりの艶のある低音が耳に届く。
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