今日も推しが尊いので溺愛は遠慮いたします!~なのに推しそっくりな社長が迫ってきて!?~
「あぁ、ごめんね。金曜日は大事な用があって」
「いえいえ、急なお誘いだったので気にしないでください。また誘いますね」
彼女のこのさっぱりしたところ、付き合いやすくてありがたい。
「ありがとう」
礼を言う芽衣子の顔をのぞき込むようにして、彼女はにんまりと笑う。
「もしかしてデートですか? 芽衣子さんほどの美人なら、出会いを求めなくても向こうからやってきますもんね!」
「いやいや、そんなこと……」
(確実にデートではないけど)
芽衣子にとっては異業種交流会に参加するよりずっと意義のある大切な用だ。
(金曜日は……最推しのルイさんの新エピが追加される日なのよね。夜七時に配信だから絶対に定時であがって待機しておかないと)
会社ではソツのない有能秘書という顔をしているけれど、プライベートの自分は重度のゲームオタク。小学生の頃から、RPG、格ゲー、音ゲーとあらゆるジャンルをやり込み、現在は恋愛シミュレーションゲームいわゆる乙女ゲームにどっぷりと浸かっていた。
推しはスマホで楽しめる『イノセント・バランタ』という人気ゲームのキャラクター、ルイ。
自分でもちょっと引くほど、彼にお金と時間を注いでいる。
さらりと流れる前髪からのぞく優しげな瞳、艶めく低音ボイス、心ときめく決め台詞の数々。
芽衣子の脳内はあっという間にルイに占められ現実から離れかけていたけれど、後輩の話はまだ続いていた。
「いえいえ、急なお誘いだったので気にしないでください。また誘いますね」
彼女のこのさっぱりしたところ、付き合いやすくてありがたい。
「ありがとう」
礼を言う芽衣子の顔をのぞき込むようにして、彼女はにんまりと笑う。
「もしかしてデートですか? 芽衣子さんほどの美人なら、出会いを求めなくても向こうからやってきますもんね!」
「いやいや、そんなこと……」
(確実にデートではないけど)
芽衣子にとっては異業種交流会に参加するよりずっと意義のある大切な用だ。
(金曜日は……最推しのルイさんの新エピが追加される日なのよね。夜七時に配信だから絶対に定時であがって待機しておかないと)
会社ではソツのない有能秘書という顔をしているけれど、プライベートの自分は重度のゲームオタク。小学生の頃から、RPG、格ゲー、音ゲーとあらゆるジャンルをやり込み、現在は恋愛シミュレーションゲームいわゆる乙女ゲームにどっぷりと浸かっていた。
推しはスマホで楽しめる『イノセント・バランタ』という人気ゲームのキャラクター、ルイ。
自分でもちょっと引くほど、彼にお金と時間を注いでいる。
さらりと流れる前髪からのぞく優しげな瞳、艶めく低音ボイス、心ときめく決め台詞の数々。
芽衣子の脳内はあっという間にルイに占められ現実から離れかけていたけれど、後輩の話はまだ続いていた。