とある幼なじみカップルのラブラブな日常
結婚しようよ
大彌と愛結が住む、1LDKのマンション。
早朝からキッチンでは、調理する音だけが響いている。
愛結が朝食と弁当を作っているからだ。
しばらくすると、寝室のドアが開いて大彌が出てきた。
ここは、寝室を出るとキッチンが見える間取り。
伸びをしながらキッチンにいる愛結を見て、ふわりと微笑んだ。
そして洗面所に向かう。
トイレや洗面などを済ませ、戻って来た大彌。
愛結を後ろから抱き締め、頬を擦り寄せた。
そこで愛結は大彌が起きてきたことに気づき、振り向いて微笑む。
大彌も微笑み、自分の口唇と愛結の口唇を順にトントンと指で叩いた。
愛結が照れたように笑って、ゆっくり目を瞑る。
そして二人の口唇が重なった。
テーブルに、愛結の作った朝食が並ぶ。
二人は顔を見合わせて同時に手を合わせ、また微笑み合って食べ始めた。
「………ん!旨っ!」
思わず声に出る、大彌。
大口で頬張る。
すると、愛結がテーブルをトントンと指で叩いた。
「ん?」
《何?》
手話で問いかける。
《急いで食べたら、喉に詰めるよ》
愛結が心配そうに伝えてきた。
《大丈夫》
そう伝えると、愛結は困ったように笑った。
毎回大彌の方が先に食べ終わるので、たいがい愛結が食べているのを見つめている大彌。
愛結の右手の薬指に目が行く。
ペアリングを二人はつけているのだが、大彌は左手の薬指にはめている。
大彌が贈った指輪で“婚約指輪のつもりで”贈ったのだが、愛結は頑なに左手につけてくれないのだ。
以前、愛結が寝てる間に左手の薬指につけかえた時があったのだが、いつの間にか右手に戻っていたことがある。
「早く、僕のお嫁さんになってよ」
ポツリと呟き、愛結の右手を見つめていると……
愛結が顔の前で手を振ってきた。
《何?》
大彌が問いかける。
《それはこっちのセリフ。
ボーッとして、どうしたの?》
手話をする愛結の右手を取った。
そして、薬指をなぞる。
それだけで、大彌が何が言いたいかわかった愛結。
ゆっくり、首を横に振った。
《どうして?
結婚してくれるんでしょ?
保留中なんだよね?
だったら、左手でもいいでしょ?》
懇願するように伝える大彌に、愛結は終始首を横に振っていた。
早朝からキッチンでは、調理する音だけが響いている。
愛結が朝食と弁当を作っているからだ。
しばらくすると、寝室のドアが開いて大彌が出てきた。
ここは、寝室を出るとキッチンが見える間取り。
伸びをしながらキッチンにいる愛結を見て、ふわりと微笑んだ。
そして洗面所に向かう。
トイレや洗面などを済ませ、戻って来た大彌。
愛結を後ろから抱き締め、頬を擦り寄せた。
そこで愛結は大彌が起きてきたことに気づき、振り向いて微笑む。
大彌も微笑み、自分の口唇と愛結の口唇を順にトントンと指で叩いた。
愛結が照れたように笑って、ゆっくり目を瞑る。
そして二人の口唇が重なった。
テーブルに、愛結の作った朝食が並ぶ。
二人は顔を見合わせて同時に手を合わせ、また微笑み合って食べ始めた。
「………ん!旨っ!」
思わず声に出る、大彌。
大口で頬張る。
すると、愛結がテーブルをトントンと指で叩いた。
「ん?」
《何?》
手話で問いかける。
《急いで食べたら、喉に詰めるよ》
愛結が心配そうに伝えてきた。
《大丈夫》
そう伝えると、愛結は困ったように笑った。
毎回大彌の方が先に食べ終わるので、たいがい愛結が食べているのを見つめている大彌。
愛結の右手の薬指に目が行く。
ペアリングを二人はつけているのだが、大彌は左手の薬指にはめている。
大彌が贈った指輪で“婚約指輪のつもりで”贈ったのだが、愛結は頑なに左手につけてくれないのだ。
以前、愛結が寝てる間に左手の薬指につけかえた時があったのだが、いつの間にか右手に戻っていたことがある。
「早く、僕のお嫁さんになってよ」
ポツリと呟き、愛結の右手を見つめていると……
愛結が顔の前で手を振ってきた。
《何?》
大彌が問いかける。
《それはこっちのセリフ。
ボーッとして、どうしたの?》
手話をする愛結の右手を取った。
そして、薬指をなぞる。
それだけで、大彌が何が言いたいかわかった愛結。
ゆっくり、首を横に振った。
《どうして?
結婚してくれるんでしょ?
保留中なんだよね?
だったら、左手でもいいでしょ?》
懇願するように伝える大彌に、愛結は終始首を横に振っていた。
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