神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
「ああはははは!よく来たな、小さな虫けらども!」

クラリーチェの哄笑が大広間に響き渡る。

「魔女の本陣に乗り込んで、私を討とうだなんて……まったく、愚かにも程がある!」

彼女が腕を掲げたその瞬間――

ズズズ……ッ!

黒い霧が床を這い、石畳の隙間から無数の魔物たちが湧き上がる。

牙を剥き、爪を振りかざし、咆哮を上げて襲いかかってきた。

「きゃああっ!」

私は反射的にレオにしがみついた。

「エミリア、下がれ!」

「だめ、私も戦う!」

「……そう言うと思った。」

レオは静かに笑い、腰の聖剣を鞘ごと私に手渡した。

「これは、サエーナの聖剣。君の力を引き出せるはずだ。」

「レオ……」

「背中は預ける。戦えるか?」

「戦ってみせる!」

私は強く頷き、剣を抜いた。光がほとばしり、聖なる気配が私の体に流れ込んでくる。
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