神託で選ばれたのは私!? 皇太子の溺愛が止まらない
「す、すみません……お邪魔でしたか?」

彼の目が、私がまだ手にしているドレスを見つめていた。

「い、いえ! 違うの。ただちょっと、当ててみただけで……」

私は慌ててドレスを椅子の背に戻し、頬を赤らめながら目を逸らす。

ユリオは静かに微笑んだ。

「よく、お似合いですよ。……仮面舞踏会に、ぜひ。」

「……でも、私なんかが行っていいのかな。」

「聖女様“だからこそ”、行くべきだと思います。けれど……もし気が進まないのなら――仮面をつけて、ただの“ひとりの女性”として、舞踏会へ行けばいい。」

彼のまっすぐな言葉に、胸が小さく鳴った。

「“誰か”の想いに縛られて、自分を押し殺す必要なんてありません。舞踏会は、自由でいられる場所なんです。」

私はその言葉を、そっと心の中で転がすように呟いた。

“自由でいられる場所”――それなら、私は……誰を思い出すの?

そして私の胸に浮かんだのは、やはり――レオ様の横顔だった。

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