紳士な弁護士と偽りデートから
探偵事務所の帰り、あかりは【北欧のそよ風】に行った。
ドアを開けると、周平の席には海都がのんびりとコーヒーを飲んでいるのには、驚いた。
「坪平さん、お久しぶりです」
「こんばんは。あれから1ヶ月近く......、経ちますか?」
「そうですか。早いですね」
「色々ありました?」
「そうなんです!! 会社を辞めて、探偵事務所に就職しまして!」
海都の片眉がピクリと動く。
茜音はそれを見逃さず、料理をしながらダンボ耳となる。客が数名いるので忙しく、会話に入って来ない。
「もう聞いてくれません?! 今日が初日だったんですけど、現場で動きたかったのに、また経理なんですよ、経理!! 計算、飽きたのに......」
「それはまた......。ひとまず安心ですね」
海都はふふっ、と、微笑み、コーヒーを飲んだ。
「......え?」
「あの探偵事務所は、僕が勤めている会社と連携しています。もちろん、情報も入る」
「そ、そんな......」
「あなたに危険な事をさせたくありませんからね」
まぁ......、知り合いがいる弁護士の探偵事務所の面接なら......、そうなるかもね。あかりも爪が甘い。
に、しても坪平jrの行動がいまいち分からない。全く会わないわりに行動力は、なんていうか......。
「好き? なのかしら?」
茜音がポツリと呟いた。
「え? 誰が?」
あかりが茜音に訊く。
たまにあかりはあざといのではないか? と思えるのだが、本当に鈍感なのでは、と、思ったり。
本当に好いてくれる人を見抜けないのかも。元カレとはまったく違う紳士なのに。
ひょっとしたら、元カレで恋愛を蓋してしまったのかしら? まだ25よ、あかり! 目の前に素敵な紳士がいるじゃない! という自分の妄想だけが突き進み、あかりを応援したくなった。
「坪平さんのせいで、また経理なんですよ?! どうしてくれるんですか?」
あかりは声を上げた。
「どうしてくれる......? なら、お詫びに美味しいフランス料理のフルコースをご馳走しますよ」
「え?!」
あかりは嬉しそうな顔をする。
「いいのですか?」
「ええ、橘さんなら喜んで」
「ありがとうございます!」
「日程が決まり次第、連絡しますよ」
「お願いします」
それまで色々準備しなくちゃ。あかりは、嬉しくて高揚した。
【北欧のそよ風】で一緒に夕飯を食べて、また、駅まで一緒に帰った。あかりは海都と一緒というのが、一番嬉しかった。
ドアを開けると、周平の席には海都がのんびりとコーヒーを飲んでいるのには、驚いた。
「坪平さん、お久しぶりです」
「こんばんは。あれから1ヶ月近く......、経ちますか?」
「そうですか。早いですね」
「色々ありました?」
「そうなんです!! 会社を辞めて、探偵事務所に就職しまして!」
海都の片眉がピクリと動く。
茜音はそれを見逃さず、料理をしながらダンボ耳となる。客が数名いるので忙しく、会話に入って来ない。
「もう聞いてくれません?! 今日が初日だったんですけど、現場で動きたかったのに、また経理なんですよ、経理!! 計算、飽きたのに......」
「それはまた......。ひとまず安心ですね」
海都はふふっ、と、微笑み、コーヒーを飲んだ。
「......え?」
「あの探偵事務所は、僕が勤めている会社と連携しています。もちろん、情報も入る」
「そ、そんな......」
「あなたに危険な事をさせたくありませんからね」
まぁ......、知り合いがいる弁護士の探偵事務所の面接なら......、そうなるかもね。あかりも爪が甘い。
に、しても坪平jrの行動がいまいち分からない。全く会わないわりに行動力は、なんていうか......。
「好き? なのかしら?」
茜音がポツリと呟いた。
「え? 誰が?」
あかりが茜音に訊く。
たまにあかりはあざといのではないか? と思えるのだが、本当に鈍感なのでは、と、思ったり。
本当に好いてくれる人を見抜けないのかも。元カレとはまったく違う紳士なのに。
ひょっとしたら、元カレで恋愛を蓋してしまったのかしら? まだ25よ、あかり! 目の前に素敵な紳士がいるじゃない! という自分の妄想だけが突き進み、あかりを応援したくなった。
「坪平さんのせいで、また経理なんですよ?! どうしてくれるんですか?」
あかりは声を上げた。
「どうしてくれる......? なら、お詫びに美味しいフランス料理のフルコースをご馳走しますよ」
「え?!」
あかりは嬉しそうな顔をする。
「いいのですか?」
「ええ、橘さんなら喜んで」
「ありがとうございます!」
「日程が決まり次第、連絡しますよ」
「お願いします」
それまで色々準備しなくちゃ。あかりは、嬉しくて高揚した。
【北欧のそよ風】で一緒に夕飯を食べて、また、駅まで一緒に帰った。あかりは海都と一緒というのが、一番嬉しかった。