紳士な弁護士と偽りデートから
 大きな公園まで来た二人は、あかりがキッチンカーのコーヒーショップを見つけた。
「コーヒー、飲まない?」
「いいね」
 二人はコーヒーを買う。あかりはビスケットも袋入りで売っていたので、購入した。

「ビスケットですが、召し上がる?」
「そうだね、頂こうかな」
 二人はビスケットにコーヒーを付けて、食べた。

「ん?! 美味しい!」
 二人の同時進行に、目を合わせて笑った。

「クッキーはよくお袋が作っていたから、食べ慣れているんだ」
「お母様はお菓子作りが得意なのね」
「うん」
「わたしのお母さん、不器用なほうで、お菓子とか作らないのよね」
「へえ?! そうなんだ」
「食べ歩きとかにしちゃうの」
「カフェ巡り?」
「ええ」
「楽しそうだね」
「今度一緒に行きましょ?」
「いいね」
「なんだか、色々楽しみが増えて嬉しい」

「今日はあかりに会えたし」
 あかりは海都の呼び捨てにドキッとした。

「来週はフレンチでデートだし」

「あっ」
 そう言ったあかりは、ハッとした。
「ん?」
 
 それでもわたしたちは付き合っていない。デートと言う言葉で、あかりは気付いたのだ。

 妙な顔をするあかりをみて、
「どうした?」
 と、聞いてくる海都。

 今までの行いって、凄く軽はずみな行動だったのでは? なんて、思えてならない。

 お手軽女......。

 そんな言葉が浮かんできた。

 けれど付き合ったのは匠だけだ。なーなーな関係がいけなかったのか。自然消滅もしかり......。

 あんな目に合うのは当然で自業自得というやつだろうか。

 しかも目の前に、こんないい男の人がいて舞い上がっているわたしって、凄く恥ずかしい! あかりの顔が赤くなった。

「え? 大丈夫?! 顔、赤くなってるけど......」

「だ、大丈夫!」
 逃げ出したい心境になったものの、それでは軽はずみな行動だと思い、思い止まった。

「あ、あの、聞いてくれる?」
「なにを? もちろん、俺でよかったら」
「今までの行動がもしかしたら、凄く軽はずみな行動で、相手を傷付けていたのが分かって......!」
 あかりはここまで、捲し立てるように話した。そして、続ける。
「それが......、凄く恥ずかしくなったんです」
 あかりは俯いてしまう。

 海都は、あのことかな......? と、考えて、間を置いた。どうしようかと思って、コーヒーを飲む。

「ご、ごめんなさい。こんなの聞いても、分からないよね」
「いや、まだよく分からないけど、そこがあかりじゃないのかな? 要は気持ちに素直なんだよ」
「こ、子どもっぽいよね?」

 そこが気になったのか。海都は微笑ましく思えた。
「まぁ......、でも、それが分かったから、これからは気をつけられると思うよ?」

「えへへ」
 あかりは、苦笑いをした。

「話してくれて、ありがとう」
 海都のありがとう、という言葉が、何ともいえず、もどかしくなった。

「【北欧のそよ風】で、どうして俺があんな感情的になったのか......」

「えっ?」
 あかりは少し気持ちが、切り替えるのに時間が掛かったけれど、
「あっと、キャンセル......のやつ...」
「......ええ」
 二人とも苦笑い。

 海都はポツリポツリと話始めた。

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