影の妻、愛に咲く~明治の花嫁は、姉の代わりだったはずなのに~
その言葉に、もう一度涙が溢れる。

私はぎゅっと誠一郎さんに抱きついた。

「私こそ……ありがとう。誠一郎さん。」

こうして私は、たくさんの人に祝福されて、本当に“妻”になったのだ。

「それで!孫の顔は!」

廊下の向こうから弾丸のように飛び込んできたのは、お母様だった。

まるで“当然授かっている”という前提で。

「な、何も聞いてないんだけどな……」

誠一郎さんが苦笑いを浮かべて、ちらりと私に視線を投げる。

その瞳に、妙なプレッシャーが宿っている気がして、私は居心地悪く視線を逸らした。

「実は……」

声が震える。

「実はっ!?」

お父様とお母様が、ぴたりと息を飲んだ。

「月のモノが……来てしまいまして……」

一瞬、空気が凍りつく。

お母様もお父様も、言葉を失ったように固まってしまった。

「す、すみません……」

なぜか私はぺこりと頭を下げる。

本来、謝るようなことではないはずなのに。
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