悪 狐
知りたい。何があったのか。
だけど、おじ様に聞くのは間違っているような気がする。
保月先生の知らない所で。
だけど口止めはされていない。
夢現。
年上の男性に、どこか弱さを見たようで愛しさが増していく。
膨らむ期待と淡い想い。身勝手な心。
保月先生との少しの時間も貪欲に求めて、歪んだ愛情に染まる。
受け止める。彼から与えられる感情が、憎しみでも良いと思うなんて。
間違っているはずなのに。
「先生、おじ様と何があったの?」
傷つけたいわけじゃないのに。深層心理。
あなたの隠しきれない憎しみと悲しみの原因に触れて、感情を煽る。
「大内が言った事は忘れろ。そうしないと……」
首を絞めるように添えられる手。
鋭い視線に殺意。
「先生が答えてくれないなら、おじ様に聞くわ。」
睨んだ視線を真っ直ぐ受け止め、私は絞まる首に手を添えた。
「忘れるより、簡単な方法があるぞ。利用してやるよ。後悔するんだな、全て……お前が悪いんだ。そして……あいつが……」
見開いた目には、鋭い視線が間近に迫ったのが見えているのに。
唇に痛みと熱で思考停止。