三度目の結婚 〜最初から相手は決まっていたようです〜

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 コーディアナ姫はひんやりとした石床へ、脇腹と左頬を引っつけてだらしなく寝そべっている。

 ひとえにこの国が暑いからだ。

「そしてコーディアナ様が骨の髄まで怠惰、かつ、だらしない性格だからです」

「全部まるっと認めるから氷菓子もらってきてーエリンー」

「これ以上お腹周りの贅肉を増やすわけにはまいりませんので却下です」

「あんなの果物と水とちょっとのお砂糖で出来てるのよ。実質水よ、水」

「果物と砂糖」

「ちょっとの果物と……」

「十分に甘い果物と」

「ちょっとの、お砂糖……」

「大量のお砂糖、ですわね」

「……」

 ちぇーっと唇を尖らせて、コーディアナはごろごろ床の上を転がった。

 ちぇーーーじゃありません、お行儀の悪い、とコーディアナ付きの女官エリンが嘆く。

 そんなに語尾伸ばしてないもんね、と、じとりとした目でエリンを見るコーディアナだが、もちろん口には出さない。エリンを敵に回したら、コーディアナはたぶん生きていけない。
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