地の果てに咲く花2
寝てるんかい……。
まあ、大学生で忙しそうだけど…。
雷稀兄から目を逸らすと、姉ちゃんが視界に入った。
いつも笑顔を浮かべてる、姉ちゃんの暗い顔。
こーゆー時はよくないこと思ってるって、兄ちゃんが言ってた。
「兄ちゃん」
トンっと肘で兄ちゃんを突く。兄ちゃんが姉ちゃんに話しかけると、姉ちゃんはにっこりと笑った。
姉ちゃんは、いつも自分を追い詰める。
俺がこの家で血が繋がってるのは、兄ちゃんと姉ちゃんだけだから……笑顔で、いてほしい。
もちろん血の繋がりがなくても家族だけど……やっぱり繋がってる方が、縁が強いから。
似てないけど、似てる双子の兄姉を見て、俺はそう思った。