地の果てに咲く花2
楠見 桜駒〈桜駒said〉
「桜駒ー起きろー」
低いけど心地良い声で呼ばれ、むくっと起き上がる。
まだ覚めない脳を起こし、ちらっと横を見た。
「お兄ちゃんー……」
私に優しく笑いかけたのは、双子の兄である楠見 聖杜。
二卵性だから言うほど似てないけど。
「朝ごはんできてるよ」
そう言って部屋を出て行ったお兄ちゃん。
私はパジャマを脱いで、洋服に着替える。
んー……めんどくさいから部屋着でいっか。
お兄ちゃんのお下がりである黒い部屋着を着て、髪はお団子にした。
鏡の前でくるっと周り、身だしなみを確認する。
「よし!今日も完璧!」
一人で満足すると、階段を降りて、リビングへと繋がるドアを開けた。
「おはよー」
声をかけると、食卓に座っていた皆がにこっと笑った。