地の果てに咲く花2
雷稀兄は相変わらずの無表情で言った。
もーう……。
……でも、雷稀兄がこの家が居心地悪いのは知ってるんだ。
──この家は複雑だ。
私とお兄ちゃんはパパと血の繋がりがない。
秋真はパパとママとも、血の繋がりがない。
雷稀兄はママと血の繋がりがない、そんなおかしな家庭。
だけど、私は何も言わないよ。
愛されてるだけ、幸せなんだから。
“望まれないで生まれてきた”私たち双子が、この家族に受け入れてもらえてるだけで……。
「桜駒」
私の考えてることがわかったのか、お兄ちゃんが私を呼ぶ。
『……母さんは、俺たちのことちゃんと愛してくれてたんだよ』
私がずっと受け入れられなかった親の愛を、お兄ちゃんはいとも簡単に受け入れた。
何よりも大事で……羨ましい、大切な片割れ。
「お兄ちゃん」