先生と拒否柴系女子【本編】
「なんだ⋯⋯じゃあ、ご家族とのトラブルとか、そういうわけではないんだな?」
「ええ。トラブルがあっても、どこの家でもあるような話ですよ」
「それを聞いて安心したよ。ん⋯⋯?お兄さん、誰と暮らしてるって?」
「彼氏と。しかも、かなり年下なんですよ。たぶん、先生と同世代じゃないかなぁ」
 兄がオッサンなのに対して、兄の彼氏の佐々木くんは、まだ20代半ばだ。
「え⋯⋯えーと、ちょっと情報が多すぎて混乱しているんだが⋯⋯お兄さんはいくつなんだい?」
「アラフォーのおっさん」
「かなり歳の差があるんだな。それで、お兄さんの彼氏が20代?」
「ええ」
「なるほど⋯⋯。少しだけ、千沢のことがわかってきた気がする」
 何かに納得したように、先生は言う。
「初めて千沢を見た時、制服を着ていても妙に大人びてるなと思ったんだ。その後の私服姿では、俺と同世代ぐらいに見えたよ」
「すいませんね、老けてて」
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