彼がくれたのは、優しさと恋心――司書志望の地味系派遣女子、クールな弁護士にこっそり愛されてました
 それからの日々、私は雨宮先生のことに蓋をしながら、これまでのことと、これからのことを考えて過ごした。

 そうして出した結論は、「すべてのタイミングがうまくかみ合った」ということだ。

 シェアハウスは入居者が決まり、もう雨宮先生の手助けは必要ない。

 この法律事務所での派遣期間は、あと四ヵ月で終わる。正所員への登用に望みを抱いていたけれど、この時点で派遣の営業担当から話がないということは、きっと無理だろう。この事務所で正所員になった派遣社員の前例はないときいているし。

 やるべきことは、やった。
 次のステップに進む時が来たんだ。

 雨宮先生への気持ちに今さら気付くなんて私、相当鈍くてバカみたいだけど、でも、今ならまだ間に合う。この気持ちはそっと胸の奥にしまおう。大切な思い出として。

 そして本気で司書を目指そう。最初は派遣でもいい。働きながら司書としての経験を積んで、試験勉強もして、正規の職員や公務員の司書を目指そう。
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