あなたの子ですが、内緒で育てます
「な、なにを言ってるの」
「そっちのほうが、美味しそうだし? それから、お母様のカップをデルフィーナ様のものと交換して。ザカリア様のフォークもだよ」

 デルフィーナが命を狙っていたのは、ルチアノだけではなかった。
 私たち全員を殺そうとしていたのだ。
 ロゼッテが泣き出した。

「ジュスト! 入り口を塞げ!」

 ザカリア様が護衛していたジュストに命じる。

「デルフィーナ及び、侍女たちを捕らえよ。それから、俺たちに配られたものに毒が入っていないか調べろ」

 一斉に兵士がなだれ込み、デルフィーナを取り押さえた。

「無礼な! 手を離しなさい! わたくしは王妃なのよ!」

 暴れるデルフィーナを兵士たちは引きずって、部屋の外に出す。
 デルフィーナの侍女たちは諦めていたのか、暴れる者はおらず、おとなしく捕まった

「ザカリア様。ルドヴィク様に知らせますか」
「ああ。兄上に連絡を。デルフィーナ王妃が俺たちの殺害を企てたと知らせてくれ」

 それを聞いたロゼッテが、ザカリア様のマントをつかんだ。

「お父様に嫌われてしまうわ! わたし……、お母様からも嫌われて……お父様からも嫌われたら……」
「ロゼッテ王女。心を読むなと言っても無駄なようだ」
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