あなたの子ですが、内緒で育てます
「ルチアノがいれば、毒殺は未遂に終わるだろうと思っていた。王の子の力を逆に利用するのも、力を知っている人間なら、容易いことだ」

 窓辺に瓶を置く。
 瓶の中身は空っぽだ。
 ロゼッテの世話をしていた《《デルフィーナ付き》》の侍女たちが減り、静かになった。
 男爵家の侍女たちは品がない。
 王の侍女には、ふさわしくなかった。
 ようやく離宮は、楽隊によって、優雅な楽の音が奏でられ、穏やかな時間を取り戻すことができた。
 久しぶりに、心地よい静寂を味わったのだった――
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