私達には婚約者がいる【菱水シリーズ④】
車のキーを手にして入ってきたのは弟の唯冬だった。
危険な『姉さん』呼びに思わず身構えた。
「またろくでもない頼み事?」
「ろくでもないってひどいな。そろそろ彼女が来るんじゃないかなって思ってさ」
「そうね……」
最近、ランチタイムやディナータイムの他にカフェタイムも始めた。
私と穂風のどちらかが、店にいられる日だけで毎日ではなかったけど、早く仕事が終わった人のための隙間時間に立ち寄ってもらえるような時間帯にケーキセットを出していた。
ぽつぽつとお客様が来られて、勉強や読書をされる方が多くて店内は静かな音楽を流すようにしている。
それがよかったのか、弟の片想いの相手、雪元千愛さんが以前より頻繁に訪れるようになった。
「姉さん。悪いけど、彼女と二人にさせてくれる?」
「おかしなことしないのならね」
「するわけないだろう」
唯冬は否定したけど、どうだか。
疑惑のまなざしを向けながら、穂風が私の代わりに答えた。
「それじゃあ、私は買い出しに行くよ。ちょうど足りないスパイスがあったしね。店番をしてもらえて助かるよ。小百里もディナータイムまで休憩したら?」
「小百里さん。俺とドライブでもする?」
危険な『姉さん』呼びに思わず身構えた。
「またろくでもない頼み事?」
「ろくでもないってひどいな。そろそろ彼女が来るんじゃないかなって思ってさ」
「そうね……」
最近、ランチタイムやディナータイムの他にカフェタイムも始めた。
私と穂風のどちらかが、店にいられる日だけで毎日ではなかったけど、早く仕事が終わった人のための隙間時間に立ち寄ってもらえるような時間帯にケーキセットを出していた。
ぽつぽつとお客様が来られて、勉強や読書をされる方が多くて店内は静かな音楽を流すようにしている。
それがよかったのか、弟の片想いの相手、雪元千愛さんが以前より頻繁に訪れるようになった。
「姉さん。悪いけど、彼女と二人にさせてくれる?」
「おかしなことしないのならね」
「するわけないだろう」
唯冬は否定したけど、どうだか。
疑惑のまなざしを向けながら、穂風が私の代わりに答えた。
「それじゃあ、私は買い出しに行くよ。ちょうど足りないスパイスがあったしね。店番をしてもらえて助かるよ。小百里もディナータイムまで休憩したら?」
「小百里さん。俺とドライブでもする?」