私達には婚約者がいる【菱水シリーズ④】
35 朝
朝日が差し込み、目を開けるとそこには知久がいた。
華やかな顔立ちと自信に満ち溢れた美しさがあり、その顔をいつまでも飽きずに眺めていられるような気がした。
―――いつまでも今は見ていられる。
「一緒にいられる……」
これが現実だと、私はまだ信じられなかった。
前髪を指であげて、知久の整った顔を見つめた。
「ん……、小百里?」
眠そうに知久は目を薄っすらと開けて、手で私の涙をぬぐった。
「なんで、泣いてるのか……?」
まだ眠り足りないのか、知久がうとうととしているのが可笑しかった。
「……秘密よ」
「俺と一緒にいられて嬉しいから?」
笑いながら知久は抱き締め、髪にや頬にキスをする。
犬のようにじゃれる知久を手で押しやり、その腕をほどく。
知久がキスをやめ、驚いた顔で私を見た。
「あ、あれ!? ここから二泊目のターン……」
「こないわよ、二泊目は」
甘い空気はここまで。
するりと知久の腕を抜けて私は起き上がり、目を細めた。
「それで、なにがどうして、こうなったのか説明してもらいましょうか?」
種明かしをすると言っていたくせにどさくさに紛れてまだ話をしていない。
あー……と知久が気まずそうにして、私から目をそらした。
華やかな顔立ちと自信に満ち溢れた美しさがあり、その顔をいつまでも飽きずに眺めていられるような気がした。
―――いつまでも今は見ていられる。
「一緒にいられる……」
これが現実だと、私はまだ信じられなかった。
前髪を指であげて、知久の整った顔を見つめた。
「ん……、小百里?」
眠そうに知久は目を薄っすらと開けて、手で私の涙をぬぐった。
「なんで、泣いてるのか……?」
まだ眠り足りないのか、知久がうとうととしているのが可笑しかった。
「……秘密よ」
「俺と一緒にいられて嬉しいから?」
笑いながら知久は抱き締め、髪にや頬にキスをする。
犬のようにじゃれる知久を手で押しやり、その腕をほどく。
知久がキスをやめ、驚いた顔で私を見た。
「あ、あれ!? ここから二泊目のターン……」
「こないわよ、二泊目は」
甘い空気はここまで。
するりと知久の腕を抜けて私は起き上がり、目を細めた。
「それで、なにがどうして、こうなったのか説明してもらいましょうか?」
種明かしをすると言っていたくせにどさくさに紛れてまだ話をしていない。
あー……と知久が気まずそうにして、私から目をそらした。