私達には婚約者がいる【菱水シリーズ④】
ハラベさんがプロデュースした八百屋のカフェは奏花が気に入っていた。だから、俺はここのケーキ屋にしようと決めた。
奏花は食いしん坊だから、けっこう食べるものにはうるさい。
プリンをわざわざデパ地下から買ってくるくらいにはこだわり派だ。
「ありがとうございました。えっと、パンプキンプリンを二つ……四つください」
ひとつだと足りないなと思い直して、追加で二つ注文した。
「いいえ。こちらこそ。素敵な誕生日になるといいですね」
パンプキンプリンが四つ入った箱を持って店を出た。
保冷剤をたっぷり入れてもらい、地下鉄の駅に向かう。
これで誕生日の準備はばっちりだ。
地下鉄の窓から時々見えるのは看板、それから暗い闇。
俺の両親は忙しく、誕生日も全員が揃って祝った記憶はない。寂しいと思っていたけど、俺がそれを口にすることはなく、なるべく両親の邪魔にならないようにしようと考えるような子供だった。
けど、寂しいと思っていた気持ちを嬉しいに変えたのは奏花だ。
俺を一人にせず、誕生日だけじゃなく、お腹を空かせているだろうと思ったら現れてご飯を作ってくれる。
文句を言いながら、俺の世話を焼き、そばにいつもいてくれたのは奏花だけ。
奏花は食いしん坊だから、けっこう食べるものにはうるさい。
プリンをわざわざデパ地下から買ってくるくらいにはこだわり派だ。
「ありがとうございました。えっと、パンプキンプリンを二つ……四つください」
ひとつだと足りないなと思い直して、追加で二つ注文した。
「いいえ。こちらこそ。素敵な誕生日になるといいですね」
パンプキンプリンが四つ入った箱を持って店を出た。
保冷剤をたっぷり入れてもらい、地下鉄の駅に向かう。
これで誕生日の準備はばっちりだ。
地下鉄の窓から時々見えるのは看板、それから暗い闇。
俺の両親は忙しく、誕生日も全員が揃って祝った記憶はない。寂しいと思っていたけど、俺がそれを口にすることはなく、なるべく両親の邪魔にならないようにしようと考えるような子供だった。
けど、寂しいと思っていた気持ちを嬉しいに変えたのは奏花だ。
俺を一人にせず、誕生日だけじゃなく、お腹を空かせているだろうと思ったら現れてご飯を作ってくれる。
文句を言いながら、俺の世話を焼き、そばにいつもいてくれたのは奏花だけ。