私達には婚約者がいる【菱水シリーズ④】
両手いっぱいに花を抱え、コットンのエコバッグには果物、チーズ、蜂蜜の瓶が入っている。
それだけ買えば、重そうな顔をしていてもおかしくないというのに笑顔で戦利品を俺に見せた。
「市場に行ったら、花をたくさんオマケしてもらえたの。すごいでしょ?」
えへんと胸を張る望未を見て、額に手をあてた。
結婚しても大人になり切れてない奴がここにいたか。
どれだけ買ってきたのか、エコバッグだけでなく背中にリュックまで背負っている。
「ドイツ語はよくわからなかったけど、オマケしてくれる時、かわいいねって言われちゃって。もしかして、私、ドイツ人にモテモテ?」
「……まあ、違う意味でモテモテだろうな」
「あ、もしかして梶井さん、焼きもち?」
「お前は幸せな奴だな」
「え? うん」
皮肉で言ったのだが、普通に頷かれてしまった。
子供が一人でおつかいに来て感心だと思われただけだろうが、本人が喜んでいるところ、水を差すのも悪いので黙っておこうと決めた。
「いい加減、その梶井さん呼びを止めろよ。お前も梶井なんだぞ?」
「そうだけど、ついクセで」
えへっと笑って誤魔化しているが、望未はどうせ気恥ずかしいと思っているだけだ。
「練習に呼んでみろよ」
それだけ買えば、重そうな顔をしていてもおかしくないというのに笑顔で戦利品を俺に見せた。
「市場に行ったら、花をたくさんオマケしてもらえたの。すごいでしょ?」
えへんと胸を張る望未を見て、額に手をあてた。
結婚しても大人になり切れてない奴がここにいたか。
どれだけ買ってきたのか、エコバッグだけでなく背中にリュックまで背負っている。
「ドイツ語はよくわからなかったけど、オマケしてくれる時、かわいいねって言われちゃって。もしかして、私、ドイツ人にモテモテ?」
「……まあ、違う意味でモテモテだろうな」
「あ、もしかして梶井さん、焼きもち?」
「お前は幸せな奴だな」
「え? うん」
皮肉で言ったのだが、普通に頷かれてしまった。
子供が一人でおつかいに来て感心だと思われただけだろうが、本人が喜んでいるところ、水を差すのも悪いので黙っておこうと決めた。
「いい加減、その梶井さん呼びを止めろよ。お前も梶井なんだぞ?」
「そうだけど、ついクセで」
えへっと笑って誤魔化しているが、望未はどうせ気恥ずかしいと思っているだけだ。
「練習に呼んでみろよ」