私達には婚約者がいる【菱水シリーズ④】
それを壊したのは私の存在で、清加さんにも弟達にも申し訳なく思っている。
ずっと―――ハーブの花が咲く庭と大きな桜の木があるビル一階のカフェ。
私が作った私の帰る場所はカフェ『音の葉』という。
店の前に大きな桜があり、私の足元に葉陰がちらちらと揺れていた。
しばらく、その店の外観を眺めていた。
「私の家……」
居心地良く過ごしてもらうことを考えて、ソファー席を増やし、緑の木々を店内にも外にも多く置いていた。
それが、よかったのか、近所のお年寄りや仕事帰りの会社員などの常連が増えて、安定した売り上げを出せている。
これだけは父に感謝したい。
母に捨てられ、渋木の親戚達には嫌な顔をされてきた私に与えてくれたビルは私の大切な居場所になっていた。
買い出し品のコショウとカレーパウダーが入った袋を手にして、カフェのドアを開けた。
ふわりと香るコーヒーの香り。
きっと、キッチン担当の穂風がお客様に出すコーヒーをいれているのだろう。
そう思って、ふっと顔をあげると、そこには―――
「な、なに、これは……?」
私の大切な居場所、カフェ『音の葉』の店内にスタインウェイのグランドピアノが置かれているのを目にした。
「え? えっ!?」
ずっと―――ハーブの花が咲く庭と大きな桜の木があるビル一階のカフェ。
私が作った私の帰る場所はカフェ『音の葉』という。
店の前に大きな桜があり、私の足元に葉陰がちらちらと揺れていた。
しばらく、その店の外観を眺めていた。
「私の家……」
居心地良く過ごしてもらうことを考えて、ソファー席を増やし、緑の木々を店内にも外にも多く置いていた。
それが、よかったのか、近所のお年寄りや仕事帰りの会社員などの常連が増えて、安定した売り上げを出せている。
これだけは父に感謝したい。
母に捨てられ、渋木の親戚達には嫌な顔をされてきた私に与えてくれたビルは私の大切な居場所になっていた。
買い出し品のコショウとカレーパウダーが入った袋を手にして、カフェのドアを開けた。
ふわりと香るコーヒーの香り。
きっと、キッチン担当の穂風がお客様に出すコーヒーをいれているのだろう。
そう思って、ふっと顔をあげると、そこには―――
「な、なに、これは……?」
私の大切な居場所、カフェ『音の葉』の店内にスタインウェイのグランドピアノが置かれているのを目にした。
「え? えっ!?」