私達には婚約者がいる【菱水シリーズ④】
20 今だけは
私が父から与えられたビルは上階がマンションになっていた。
その中でも、屋上に繋がるペントハウスは私の部屋で、ウッドテラスを緑で埋め尽くし、窓からは夏の日差しで育った草花が緑を濃くしていた。
室内では観葉植物を育て、屋上には小さな畑もある。
緑も育ち、部屋は緑の多い居心地のいい空間になっていた。
リビングには乾燥したハーブが吊るされていて、キッチンは光を反射するように白い壁と空色のタイル、揃えられた調理器具。
乳白色、生成色、パールホワイト、部屋のクッションやソファー、テーブルや棚も白で統一されているけれど、同じ色にはせず、光の加減に合わせて同じ白でも色を変えている。
ラベンダーの香りがするリネンに知久は顔を埋めた。
「小百里の部屋って眠くなるね」
「穂風は魔女の部屋みたいって言ってたわ」
「魔女?」
その中でも、屋上に繋がるペントハウスは私の部屋で、ウッドテラスを緑で埋め尽くし、窓からは夏の日差しで育った草花が緑を濃くしていた。
室内では観葉植物を育て、屋上には小さな畑もある。
緑も育ち、部屋は緑の多い居心地のいい空間になっていた。
リビングには乾燥したハーブが吊るされていて、キッチンは光を反射するように白い壁と空色のタイル、揃えられた調理器具。
乳白色、生成色、パールホワイト、部屋のクッションやソファー、テーブルや棚も白で統一されているけれど、同じ色にはせず、光の加減に合わせて同じ白でも色を変えている。
ラベンダーの香りがするリネンに知久は顔を埋めた。
「小百里の部屋って眠くなるね」
「穂風は魔女の部屋みたいって言ってたわ」
「魔女?」