第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している

第1部 拒まれた愛

兄が国の騎士団長に任命されたのは、春先の事だった。

代々続く騎士の家系。

そこから騎士団長に選ばれるのは、家としても誉だった。

かくいう妹の私も剣術を習い兄と一緒に励んでいた。

「リリアーナ。おまえは剣さばきが特にうまい。一緒に王都に来るか。」

「はい!」

兄のダリウスに従い、私はこの国の王都・ヴィレンに辿り着いた。

王都は、噂に違わぬ華やかさだった。

白い石畳と重厚な城門。

行き交う騎士や兵士たちの間を、ドレス姿の貴婦人たちが優雅に歩く。

けれど、空気の端に、どこか緊張が走っていた。

「どうしたの? 皆、険しい顔をしているけれど。」

訓練場で剣を振るう騎士たちの間を抜け、私は兄に声をかけた。

兄・ダリウスは少し難しい顔をして私を見つめる。

「北方で反乱が起こっている。だから北方出身の俺が騎士団長になったんだ。」
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