第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
「えっ……そうなの?」

思わぬ事態に、胸がざわつく。

「だが、王都にいるならリリアーナも安心だ。」

「……だから連れてきたの?」

剣さばきが上手いとか言って、おだてられてついてきてしまったけれど――まさかそんな理由だったなんて。

兄はわずかに目を伏せ、そして笑った。

「……おまえが巻き込まれたら、俺が後悔する。」

その言葉に、胸が少しだけ、痛んだ。

宮殿に着いた私たちを、同じ騎士団の仲間たちが出迎えてくれた。

「騎士団長。アシュレイ殿下がお目通りを願っています。」

「……ああ、第3皇子の。」

兄は短く答えると、廊下の奥に視線をやった。

そこには一人の美丈夫が立っていた。

「アシュレイ殿下。」

兄が名を呼んだ瞬間、奥の部屋から鋭い声が聞こえた。

「今夜くらいいいじゃないか!」

「体調が悪いの!」

「もうすぐ戦が始まるんだぞ!妃と過ごして何が悪い!」
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