第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
そして、反乱軍の将が捕らえられた――

「やった……! 勝利だ!」

戦場に歓声が広がり、私は思わず側にいたアシュレイに飛びついた。

「アシュレイ!」

「リリアーナ……」

彼は力強く、そして優しく私を抱きしめ返してくれた。

ほんの一瞬、世界が静かになる。

剣ではなく、腕で守られる感覚が、胸を温かく満たした。

「リリアーナ。……帰る準備をしておけ。」

そう言い残して、アシュレイは敵将の元へと向かっていった。

その背中を見送っていると、ルークが近くにやって来た。

「……守るって言ったのに。」

苦笑まじりに呟くと、私は笑って首を振った。

「でも、アシュレイ殿下の背中にいたら……誰も手出しできないわ。」

「……勘弁してくれよ、ほんとに。」

ルークは困ったような、でもどこか安堵の表情で肩をすくめた。

「帰ろう。……家に。」

その言葉に、戦の疲れがふっと軽くなる。

私たちは、生きて帰る。

その手には剣ではなく、愛と、未来が――ちゃんと、残っていた。
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