第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
敵陣を目前に、アシュレイの号令が響く。

「敵を――討て!」

「おおおおおっ!」

雄たけびと共に、騎士たちが一斉に動いた。

私も剣を構え、風を切るように前へと駆け出す。

「はああっ!」

目の前に現れた敵兵に、真っ向から斬りかかった。

「……女?」

敵が目を丸くする。

「姉ちゃん、連れて帰りたいわ~」

「ふざけるなっ!」

剣を交えた瞬間、敵の容赦ない斬撃が襲ってくる。

冗談を言っていた口とは裏腹に、殺気は本物だった。

(やっぱり怖い……でも、負けられない!)

そのとき――鋭い剣閃が私の前を走った。

「後ろに回れ!」

アシュレイ――!

敵兵が倒れ、血が地に散る。

「アシュレイ!」

「……何? 皇子だと気づいた?」

敵がどよめく。

「いかにも! 第3皇子・アシュレイ・ルヴェールだ!」

その声と同時に、殿下は私の背中を守るように立ち、剣を閃かせながら、次々と敵を斬り払っていく。

私たちは背中を合わせながら、ひとつの命として――戦っていた。
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