第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
息の合間に囁くアシュレイの声に、私は微笑んだ。

「いいの。私は、あなたに愛されているから。」

その言葉が胸からこぼれると、彼はまるで何かを確かめるように私を強く抱きしめた。

「君を放したくない。……この腕の中から、もう誰にも渡したくない。」

「うん。私も……ずっと、こうしていたい。」

静かに重なる唇。熱を帯びた彼の体温が、私の奥まで染み込んでいく。

どこかで遠く、風が鳴いていた。けれど、この部屋の中は、ただ二人だけの世界。

「愛してるよ、リリアーナ。」

その言葉が、私の全てを満たしていった。
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