第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
私は小さく笑みを返すと、深く頭を下げた。

そのとき、もう一人、年配の侍女がそっと言った。

「リリアーナ様は、私たちの希望の星です。どうかご自分を恥じないでくださいませ」

胸の奥に、じんと熱が灯った。

それは恋の熱とも違う、確かな"誇り"のようなものだった。

けれど──その翌日、それは突然起こった。

ノックの音もなく扉が開かれ、現れたのは見間違いようのない人影。

カトリーナ妃だった。

「カトリーナ様……」

私は立ち上がり、微笑みをたたえながら会釈をした。

「どうぞ、おかけになってください。」

けれど彼女は一歩も動かず、冷ややかな眼差しで私を見下ろしてきた。

その唇は怒りに震えている。

「どういうつもりなの?」

「え……?」

「愛人のくせに、毎晩アシュレイを独り占めするなんて。立場をわきまえているつもりなの⁉」

言葉の棘が容赦なく突き刺さる。
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