第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
そう、私は立ち向かわなければならない。

この愛のために。アシュレイ殿下の想いに、報いるために。

「もし、子供なんかできたらどうするの? ああー、恐ろしい!」

カトリーナ妃はこめかみを押さえ、狂気じみた目で私をにらんだ。

「……アシュレイ殿下からは、子供が生まれた場合、公子として認めるとお言葉を頂いています」

私は静かに、けれど確かな声でそう告げた。

「なんですって……?」

カトリーナ妃の顔から、さっと血の気が引いた。

「皇子であった場合は、身分を保証し、公務にあたらせると……」

その瞬間、彼女の手が私の手首を掴んだ。

「このっ……!」

驚く間もなく、私は強引に立たされ、そして次の瞬間──

ドンッ。

「きゃっ……!」

私は床に倒れ込んだ。大理石の冷たさが、背中に広がる。

「あなたなんかに……私の居場所を奪われてたまるものですか!」
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