第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
カトリーナ妃の声は、もはや理性を失っていた。

私の肩が、小さく震えた。

だけど、私は目をそらさなかった。

「私は、殿下を愛しています。それだけは、誰にも否定できない……」

「黙れ!」

頬に平手打ちが飛んできた。

――それでも、私は顔を背けなかった。

この痛みの先にあるものを、私は決して諦めたくなかった。

そして──2回目の平手打ちが振り上げられた、その瞬間だった。

「何をしているんだ!」

鋭い声と共に、部屋の扉が勢いよく開いた。

「アシュレイ殿下……⁉」

カトリーナ妃が驚きの声を上げる。

その瞳は、怒りに燃えていた。

「これは……一体何の騒ぎだ?」

アシュレイは、床に倒れたままの私を見つけ、顔色を変えた。

「リリアーナ……!」

すぐに駆け寄り、私を抱き起こす。

優しく頬に触れる指が、震えていた。
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