第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
夜中、ふと目が覚めた。どうしても眠れず、私はそっとベッドを抜け出した。

静まり返った廊下。トイレへ向かう途中、ある部屋の前で立ち止まる。

扉の隙間から、わずかに明かりが漏れていた。

(……カトリーナ妃の部屋?)

と、その時だった。

「来てくれたと思ったら、“あの女を虐めるな”ですって⁉」

カトリーナ妃の怒声が、扉越しに響いた。

私は反射的にその場に身をひそめた。

続く声は、低く、しかし確かにアシュレイのものだった。

「あれは暴力だ! 許されることじゃない!」

アシュレイの怒声に、カトリーナ妃は唇を噛みしめた。その瞳には、怒りと哀しみとが入り混じる。

「……あの女が、そんなに大事なの?」

そう言いながら、カトリーナ妃は自らのナイトウエアの紐を解いた。薄絹が滑り落ち、白い肩が露わになる。

「だったら……側妃だっていいわ。私が正妃だもの。私が、あなたの子供を産めばいいんだもの。」
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