第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
アシュレイは、その問いに答えず、そっと彼女に毛布を掛けた。

「君の幸せは、ここにはない。――もう戻れないんだ。」

そして、静かに扉の方へと歩き出した。

まずい。このままじゃ、盗み聞きしていたのがバレてしまう――。

私は音を立てぬようそっと後ずさり、自室へ戻ろうとした。

だが、

「……リリアーナ。」

その低く優しい声に、足が止まった。

「アシュレイ……」

振り返ると、彼はまっすぐに私を見ていた。

そして、一歩、また一歩と近づいてくる。

「眠れないのか?」

「え、ええ……少しだけ……」

アシュレイは私を優しく抱き寄せ、目を伏せる私の唇にそっと自分の唇を重ねた。

「じゃあ……眠れるようにしてあげるよ。」

囁く声は甘くて、どこか意地悪で、でも安心感に満ちている。

「え……?」

「俺に抱かれて、ぐったり疲れて眠ればいい。」
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