第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
アシュレイは、私の気持ちを考えて、あえて一人で決断したの……?

私の「望まない」を知っていて、それでも。

胸の奥が、苦しさとあたたかさでいっぱいになる。

「強くなれ、リリアーナ。」

兄の手が私の肩をぎゅっと掴んだ。

その手には、姉妹を想う強さと、背中を押してくれるあたたかさがあった。

「アシュレイ殿下に着いて行けるように、守れるように……強くなれ。」

「……お兄ちゃん。」

目が潤んだ。けれど、もう泣いてばかりじゃいけない。

私は彼の隣にいると決めたのだから。

兄は力強く頷いた。

「これからアシュレイ殿下は、危機に立たされるだろう。王族が離婚をするということは、並大抵のことじゃない。反発も、噂も、陰口も……全部ついてくる。」

「……」

「けれど、それでも、側で支えてやれるのは、おまえだけだぞ。」

そうだ。

あの夜、カトリーナ妃に責められていた私を、真っ先に庇ってくれた彼。
< 75 / 103 >

この作品をシェア

pagetop