第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
私を"愛している"と、王の前で言ってくれた人。

その人がこれから孤独に立ち向かうのなら――私が、その背中を支えなければ。

「……私、頑張るわ。」

ふいに、心の奥から小さな光が差し込んできた気がした。

兄は満足そうに微笑んだ。

「その意気だ。」

私たちは顔を見合わせて、どこか少し照れくさく、でも確かな笑みを交わした。

私は椅子から立ち上がると、胸に手を当てて深呼吸した。迷いはもうない。

兄の言葉が、私の背中を押してくれたのだ。

「私が、アシュレイを支える。」

そう呟いて歩き出す。廊下を抜け、広間を通って、彼がいる部屋へと向かう。

私の中には、もう逃げる気持ちなどなかった。

愛する人の隣に立つために、私は今、歩いている。
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