第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している

第8部 婚姻の宣言

数日後、扉が激しく叩かれた。

「リリアーナ!」

アシュレイの声。血相を変えた彼が部屋に飛び込んでくる。

「アシュレイ、どうしたの?そんなに急いで……」

息を荒くしている彼の手には、一枚の羊皮紙が握られていた。

無言のまま、それを私の手に押しつける。

「……これは?」

震える手で広げると、そこには見慣れない印と署名。

「離婚通知書だ。父上の許可が出た。」

アシュレイの声は低く、だがどこか安堵に満ちていた。

「……ああ、やっと……」

言葉が続かなかった。嬉しいはずなのに、心の奥で波が揺れる。

「カトリーナ妃は……どうなるの?」

絞り出すように問うと、アシュレイはわずかに眉を寄せた。

「ノルヴァン公爵家が承諾すれば、正式に離婚が成立する。そのために、莫大な慰謝料を支払うことになるだろう。」

私は唇を噛みしめた。

「あなたが、すべてを背負うのね……」
< 77 / 103 >

この作品をシェア

pagetop