第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
「気づいても……遅かったけれど。」

その背中に、私は何も言えなかった。

そして週が明けると、王宮に一つの知らせが響いた。

「第3皇子・アシュレイとカトリーナ妃の離婚を、ここに宣言する。」

王の重々しい声が、玉座の間に響く。

その場に居並ぶ貴族たちの中には、ささやく者、顔を見合わせる者もいた。

だが、主役の二人——アシュレイとカトリーナ妃は、ただ静かにその言葉を受け止めていた。

まるで、すでにすべてを覚悟し終えているかのように。

そして式が終わり、玉座の間から退出する際。

アシュレイは一瞬、彼女の隣に並び、そっと声をかけた。

「カトリーナ……少しは、実家で休めそうか?」

その声に、カトリーナ妃はぴくりと眉を動かした。

だが、顔を上げることはなかった。

「……いえ。」

短く、力なく返されたその言葉には、どこか諦めにも似た哀しみが滲んでいた。
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