第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している

第9部 新しい妃として

そして、私とアシュレイの婚礼の準備が始まった。

「純白のシルクに、可憐な花をあしらったレースを重ねましょう。」

仕立て屋の女性は、とても嬉しそうに提案してくれる。

「第3皇子殿下が、これほど熱を入れておられるのは珍しいことですわ。」

そう微笑まれて、胸がくすぐったくなる。

「前妃のときは、衣装も式も本当に簡素で……」

「本当に簡素で……」

「簡素?」

思わず聞き返すと、仕立て屋の女性が気まずそうに笑った。

「ええ、政略結婚だったからですかね。第3皇子のご婚礼なのに、正直お気の毒でしたよ。」

ドレスの最終調整が終わり、立ち上がろうとした時、部屋の扉がノックされる。

「リリアーナ、入ってもいい?」

「アシュレイ……」

彼は遠慮がちに入ってきたが、私を見るやいなや目を輝かせた。

「ああ、いいね。やっぱりリリアーナには、花をあしらったドレスが似合うと思ったんだ。」
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