第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
「待て待て。第3皇子殿と言ったら、ダリウスの手紙によると……」

父が腕を組んで、アシュレイをじっと見据えた。

「次の国王になるかもしれないと書いてあったぞ。」

場の空気が一気に張りつめる。

「そうなったら……リリアーナは王妃としての務めを果たせるのだろうか。」

その問いに、私はぎゅっと手を握りしめた。

父は、家の名誉よりも、この国の未来を案じているのだ。

さすがは騎士の家柄。国を背負う覚悟がある。

そんな父に向かって、アシュレイは静かに、しかしはっきりとした声で言った。

「お父上。リリアーナさんは、俺が――このアシュレイ・ルヴェールが選んだ人です。」

その言葉に、私は思わず顔を上げた。

「もし僕が、国王になったとしても……彼女はきっと、王妃として立派に務めを果たしてくれる。僕は、そう信じています。」

アシュレイの瞳には、一点の曇りもなかった。
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