第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している
父は一歩前に出ると、まっすぐ背筋を伸ばし、深く敬礼した。

「どうか娘を、よろしくお願いいたします。どうかその手で、良き方向へ導いてやってください。」

騎士として、そして一人の父としての真摯な願いが、その言葉には込められていた。

アシュレイは静かに胸に手を当て、力強く答えた。

「僕のすべてをかけて、リリアーナさんを幸せにします。結婚のお許し、ありがたく頂戴いたします。」

その真っ直ぐな眼差しに、父の目に涙が浮かんでいた。

「リリアーナ……」

「はい。」

「俺は……娘を、誇りに思う。」

その言葉に、私は胸が熱くなった。

――ようやく、家族に祝福される未来が、現実のものとなったのだ。

そして日が明けて、私とアシュレイの婚礼が行われた。

花のレースをあしらった、あの純白のウェディングドレスを身に纏い、私は父と腕を組んでバージンロードを歩く。
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