【こちらはマンガシナリオです】正しい愛し方教えてよ

溺れる

○ファミレス
結菜「ついにかー!おめでとう!」
萌「お似合いだよぉー」
美琴「ありがとう」
(2人に報告したものの、まだ付き合い始めた実感はない。連絡の頻度は変わらないし、デートみたいなことはしたことあるし)
結菜「そういえばミスコンの子は大丈夫なの?中峰くんのこと狙ってるんじゃなかったっけ?」
美琴(忘れてた)
萌「あの子意外とプライド高そうだから、彼女できても手に入れようとしてくるかもねぇ」
美琴(…たしかに)
結菜「いっそのことバッサリ振られた方が諦めつくんじゃない?」
萌「春休み中だから何もないといいけどねぇ」


数日後。
○昴の部屋
机に向かう昴と修。
修「じゃ、10分休憩な」

○美琴の部屋
コンコン、ノックされる。
美琴「なにー」
家族の誰かだと思ってる返事。
ガチャ
修「彼女の顔を見に来た」
美琴「ちょっと、急に入って来ないでよ」
(彼女になっても急に素直になれない。我ながら可愛げがないと思う)
ベットサイドに座る美琴の横に座る。
すとん
美琴の太ももに頭を置き、膝枕の状態になる。
美琴「いや、何してんの!?」
修「休憩」
顔を美琴の方に向けた。
修「美琴ってさぁ、俺のこと名字すら呼んだことねーよな」
美琴「そうだっけ」
(そういえば呼んだことないかも…)
修「下の名前呼んでよ」
美琴「え…いきなりは恥ずかしいから、徐々にね…」
修「やだ。今、呼んで」
美琴(駄々っ子モードじゃん)
渋っていると、修は急に起き上がり、ベットに美琴を押し倒し、覆い被さる。
修「呼んでくれなきゃ襲っちゃうかも」
美琴目線の修の姿。大人っぽい男の表情。
美琴「やめて…修…」
目線を逸らし恥じらいながら言う美琴を見て、頬を赤くする修。
修(ずるいだろその顔は…)
「…お預けの常習犯だな」
ちゅ、頬にキスをする。
美琴の腕を引っ張り体を起こす。
修「今度俺ん家でな」
耳元で囁く。
カァー、美琴顔赤くなる。
修「じゃ、戻るわ」
頭をポンとして出て行く。
美琴(そうだよね、付き合ったらそういうことするよね。私だって処女なわけじゃないけど、あいつと…)

○リビング
家庭教師が終わり帰る前。
美琴(そういえば、昴やお母さんに付き合い始めたこと言ってない。どうしよう、今言うべき?)
ぐっ、修が美琴の肩を抱き寄せる。
修「俺たち付き合うことになったから」
美琴(い、いきなり!?)
静香「そうなの!?きゃー!息子が増えて嬉しいーっ」
昴「まじで!?やべー!修くんが兄ちゃんだぁ!」
静香「お父さんにも報告しなくっちゃー!」
盛り上がる2人。
美琴(え、いま結婚報告したっけ?違うよね、お付き合いの話だよね)


3月
○居酒屋、夜
美琴(今日はサークルメンバーで、もうすぐ卒業する4年生に向け早めの送別会)
座敷の席、各々わちゃわちゃ盛り上がっている。美琴の隣には結菜、向かいには新谷。
男の先輩「俺らが社会人になっても飲み行ったりしような!」
新谷「もちろんですよ!がんがん誘ってください」
結菜「先輩って、県外に行っちゃうんですよね?」
女の先輩「そうよー。卒業式終わったらすぐ引っ越し」
美琴「寂しいです。彼氏さんは就職県内ですか?」
女の先輩「うん、だから遠距離になるの」
男の先輩「社会人から遠距離とか、お互い多忙ですれ違うパターンじゃん」
女の先輩「うるさいなぁ。遠距離でダメになるくらいなら、近くにいたとしてもいつかはダメになるよ。お互い自分のやりたい仕事を選んだ結果、遠距離になっただけ。一緒にいたいからって、自分の夢を諦めるのは違うでしょ」
激しく頷く女性陣。
美琴(ごもっとも!!そうだよね、恋愛も大事だけど、夢や仕事を犠牲にするのは違う)
男の先輩「ところで新谷は彼女出来たのか?」
気まずそうな顔の美琴。
新谷「出来てませんよ。まぁ、就活が落ち着いたらって感じっすね」
男の先輩「やっぱり笹原がお似合いだよな」
美琴(…あ、どうしよう)
結菜「この子は、ミスター春並と付き合ってるので、もう誰も手出しできませんよ!」少し酔っている。
みんな驚くリアクション。
純「えー!美琴先輩、中峰くんと付き合ってるんですか!?」
女の先輩「うそ!あのグランプリのイケメン!?」
美琴「え…あぁ、はい」
(最近付き合い始めたからみんな知らないよね。これで広まっちゃうな…)
新谷「…。」話に入らずグラス飲む。
男の先輩「だってよ、新谷。ただのイケメンに笹原任せていいのか!?」
新谷「笹原が選んだヤツなら中身もイケメンなんじゃないですか」
美琴(…新谷)


後日。
○カフェ、15時頃
ソファ席、向かい合わせに座る美琴と修。パンケーキを食べている。
美琴「この前の送別会で、私たちが付き合ってるのみんなに知られちゃったんだけど…大丈夫だった?そもそも勝手に言ってごめん」
修「何で謝んだよ。むしろ、大学内でもイチャイチャできて好都合」
美琴「…人前でイチャイチャしないし」
修「一緒に通えるのもあと1年なんだし、キャンパスデートいっぱいするしかねーだろ」
美琴(そっか、あと1年か…。私も行かない日増えるしなぁ)
ミスコン「あれ、中峰くん?」
偶然店に来たミスコンが気づき、声をかけてきた。
ミスコン「こんなとこで会うなんてびっくりー。中峰くん甘いもの好きなんだぁ」
美琴を見る。
美琴(なんか視線が鋭い…)
ミスコン「迷惑じゃなければ、私もご一緒してもいいですか?」
美琴(おっと、これは…)
修「デート中だから邪魔しないで」
ミスコン「え…デート?」
修「うん、この人は俺の彼女だから」
美琴(俺の彼女…)
ちょっと嬉しそうな美琴。
ミスコン「そうなんだ。ごめんね、邪魔して」
そそくさと他の席に行く。
美琴(これで諦めてくれたかな?)

カフェを出て歩いている2人。
ポツポツ…ザァー、突然雨降り出す。
修「まじかよ。とりあえず近いし、俺ん家行くか」
雨に濡れながら走る2人。

○修のアパート
玄関
修「ゲリラやべー」
濡れた上着を脱ぎながら部屋に入る。
修「タオル取ってくる」
美琴「ありがとう」
リビング、取ってきたタオルで美琴の髪をわしゃわしゃする。修も頭にタオル被ってる。
修「なんか犬みてぇー」
美琴「もぉー犬扱いやめて」
修「あはは」
笑い合いながら修を見ると目が合う。ゆっくりと顔が近づきキスをする。
ちゅ
修「もうお預け無しな…」
再びキス。

○寝室
カーテンのしまった薄暗い中、ベットの上にいる2人。美琴の首筋やおでこ、鎖骨にキスをするシーン。髪をそっと撫でる。静かに見つめ合う。
美琴(私のこと大切なんだな、好きなんだなって、自惚れてしまうぐらい一つ一つ優しく触れてくれる)
修「好き」
美琴(耳元で囁く声は、普段と違って甘ったるい。どうしよう、溶けてしまいそう。あぁ、これが恋に溺れる瞬間か)
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