【こちらはマンガシナリオです】正しい愛し方教えてよ
幸せのカタチ
4月
○大学、外、朝
1人で歩く美琴。
美琴(4年生になり、ラストキャンパスライフが始まった。なるべく穏やかに過ごしたいんだけど…)
周りの学生がコソコソ言っている。
学生「あの人じゃない?中峰くんの彼女」
「ほんとにー?案外普通じゃん」
「あのレベルなら、私らでも付き合えたんじゃない?」
美琴(聞こえてますよー。まぁ、そう思うよね。私だっていまだに、私のどこが良いのか分かんないもん)
ぎゅっ、いきなり修が後ろから覆い被さるようにハグ。
美琴(!?!?)
周りの学生たち頬を染め驚く。
修「おはよー」
美琴「ちょっ…何してんの!!」
急いで突き離す。
修「いってー。なにすんだよ」
美琴「いやいや、ここ大学だから!」
ぷんぷんしながら早歩きで進む。
別日。
○講義室
美琴「そういえば萌、出願申し込んだ?」
萌「ううん、まだぁ」
美琴「そうなんだ。期限内に忘れないようにね」
萌「…申し込まないかもぉ」
美琴「…え、なんでよ」
伏し目がちな萌。
萌「私は教師になる資格ないから…」
美琴「どういう意味?」
萌「ずっと言ってなかったんだけど…彼ね、既婚者なのぉ」
美琴「え…」
萌「不倫してる人間が教師になるのはダメでしょ?」
美琴「…既婚者って分かってて付き合ったの?」
萌「ううん。既婚者って知らずに好きになって、付き合って知らされたの。後から言うなんてずるいと思ったけど、嫌いになれなかったんだよねぇ」
美琴(不倫なんてドラマや漫画だけの話だと思ってた。こんな身近であるなんて…)
「…そんなの萌のこと大切にしてくれてないじゃん」
萌「そんなことないよぉ。奥さんとずっと別居してて、普通のカップルみたいに会えるし、寂しい思いしたことないよ」
美琴「ほんとに萌が大切で、別居する状況ならすぐに離婚するんじゃないの?」
萌「カップルと違って、夫婦は簡単に別れられないんだよ」
「…。」
○帰り道
並んで歩く美琴と修。元気のない美琴の様子に気づく修。
修「なんかあった?」
美琴「実はさ…」
出来事を話し終える。
美琴「なんか裏切られた気分…」
修「でもさ、もえもえの気持ち一回でも考えたの?」
美琴(萌の気持ち…)
「だけど、不倫はよくないよ」
修「いけねーことしてるって分かってるから、美琴たちにずっと言えなくて、教師になるのも諦めたんじゃねぇの?」
美琴「…。」
修「美琴の言ってることは正しいと思うよ。だけどさ、正論だけじゃ人の気持ちは動かせねーよ」
美琴(確かにそうだ。分かってる、だけどモヤモヤしてしまう)
「というかさ、私たちがケンカする必要ないよね。付き合っても言い合いするとか嫌なんだけど」
投げやりな言い方。
修「なんか勘違いしてない?」
美琴「え?」
修「もちろん、ケンカしないに越したことはねーけど、思ってること言わず我慢してケンカにならねーのは仲良いとは違うだろ」
美琴(よしくんと付き合っていた頃の私は、ケンカにならないように本音を言わないことが多かった。ケンカ別れなんて嫌だって思っていたし、ケンカして絆が深まるなんて信じていなかった)
修「俺らって、ぶつかり合って終わる関係?」
首を横に振る美琴。
修「美琴とは、良いことも悪いことも本音で言い合える仲でいたい。そんで、お互いのこともっと知って、認め合って成長していきたいと思ってる」
美琴(そうだった。修はいつも、私の弱さも強さも全て受け止めて向き合ってくれる。それは付き合ってからも変わらない)
別日。
○大学、夕方
後輩「森下先輩!好きです。私でよければ付き合って下さい」
森下「ごめん。気持ちだけ受け取っておくね」
去っていく女子。
森下「!」
結菜が近くにいたことに気付く。
結菜「ごめん、たまたま居合わせちゃって…」
気まずそうな笑顔。
並んで歩く
結菜「モテモテだねー」
森下「いえいえ。あ、そうだ。今度映画見に行きません?」
結菜「何か観たいのがあるの?」
森下「いくつか気になってるのはありますが、結菜さんの観たいのでお願いします」
結菜「森下くんが観たいのにしようよ」
森下「わかりました。後でいくつか候補送っておきますね」
結菜「ありがとう」
機嫌の良さそうな森下の横顔を見る。
結菜「森下くんってさ…私のこと好きなの?」
森下「…そうですね、かなり」
結菜「かなりって」
立ち止まる森下。
森下「恋愛感情を3年ごとに更新する自信があるんですが…僕と付き合ってみませんか?」
結菜「ふふ…付き合ってみようかな」
数日後。
○街中、昼間
手を繋ぎ歩く美琴と修。
美琴「あ…」
何かに気づき足を止める。萌と彼氏のショット。
美琴(あんなに幸せそうなのに…)
修「モヤモヤするなら、ちゃんと伝えろよ」
美琴迷ってる。
修「もえもえー!」
萌が声に気づく。
萌「え、びっくりしたぁ」
近づく2組。
美琴(萌には萌の苦しみや迷いがあると思った。何を伝えることが正解か分からなかったけど、私なりに伝えなきゃ後悔する。可愛くて優しくて、心の広い萌に幸せになってほしい気持ちは嘘じゃないから)
彼氏に体を向ける。
美琴「あのっ!…萌は私たちの大切な友達です。…だから中途半端なことはそろそろ終わりにしてあげてください。カップルのことなのに勝手なこと言ってごめんなさい。だけど私は、純粋な気持ちで2人のこと応援したいんです」
萌の方を見る。
美琴「萌、この前は否定ばっかしてごめん。…萌は私なんかより何十倍、何百倍教師に向いてると思う。だから簡単に諦めないでほしい」
萌「みこちゃん…」
美琴「デートの邪魔してごめんね。じゃあ、また!」
立ち去る2人。
少し離れたところで立ち止まる美琴。下を向く。
ポン、美琴の頭に手を置く。
修「頑張りました」
萌と彼氏が歩いている。
萌「ごめんね、びっくりしたよねぇ」
萌の目線下に、彼氏の左手アップ。
萌(出会った時から、彼の左手薬指に指輪はなかった)
○萌のバイト先の喫茶店、過去回想
冬、萌2年生。
カウンター席の端に座る彼氏、横顔。
萌(あの人、この前も見かけたなぁ)
窓の外に雪がチラついている。
コンッ
萌がホットコーヒーをテーブルに置く。
彼氏「え…」
萌「今日は寒いので、マスターからのサービスです」ニコッ
彼氏少し頬染まる。
萌(それからお客の少ない日は、マスターを交えながら他愛ない話をするようになった)
喫茶店で話すショット。
彼氏「萌ちゃん、今度良かったら出かけない?」
萌「…はい」嬉しそうな顔。
萌(それから何度か外で会い、告白され付き合うことになった)
付き合ってしばらく経ち
彼氏「ごめん、実は俺…結婚してるんだ…」
萌「…え…結婚?」
言葉を失う。
萌(結婚生活は破綻し、1年以上別居していると言われても、彼が既婚者なことに変わりはなかった。まさか自分が不倫するなんて…)
○再び現在
萌「ねぇ、そろそろちゃんと話さない?」
彼氏「うん、そうだね…」
○大学、外、朝
1人で歩く美琴。
美琴(4年生になり、ラストキャンパスライフが始まった。なるべく穏やかに過ごしたいんだけど…)
周りの学生がコソコソ言っている。
学生「あの人じゃない?中峰くんの彼女」
「ほんとにー?案外普通じゃん」
「あのレベルなら、私らでも付き合えたんじゃない?」
美琴(聞こえてますよー。まぁ、そう思うよね。私だっていまだに、私のどこが良いのか分かんないもん)
ぎゅっ、いきなり修が後ろから覆い被さるようにハグ。
美琴(!?!?)
周りの学生たち頬を染め驚く。
修「おはよー」
美琴「ちょっ…何してんの!!」
急いで突き離す。
修「いってー。なにすんだよ」
美琴「いやいや、ここ大学だから!」
ぷんぷんしながら早歩きで進む。
別日。
○講義室
美琴「そういえば萌、出願申し込んだ?」
萌「ううん、まだぁ」
美琴「そうなんだ。期限内に忘れないようにね」
萌「…申し込まないかもぉ」
美琴「…え、なんでよ」
伏し目がちな萌。
萌「私は教師になる資格ないから…」
美琴「どういう意味?」
萌「ずっと言ってなかったんだけど…彼ね、既婚者なのぉ」
美琴「え…」
萌「不倫してる人間が教師になるのはダメでしょ?」
美琴「…既婚者って分かってて付き合ったの?」
萌「ううん。既婚者って知らずに好きになって、付き合って知らされたの。後から言うなんてずるいと思ったけど、嫌いになれなかったんだよねぇ」
美琴(不倫なんてドラマや漫画だけの話だと思ってた。こんな身近であるなんて…)
「…そんなの萌のこと大切にしてくれてないじゃん」
萌「そんなことないよぉ。奥さんとずっと別居してて、普通のカップルみたいに会えるし、寂しい思いしたことないよ」
美琴「ほんとに萌が大切で、別居する状況ならすぐに離婚するんじゃないの?」
萌「カップルと違って、夫婦は簡単に別れられないんだよ」
「…。」
○帰り道
並んで歩く美琴と修。元気のない美琴の様子に気づく修。
修「なんかあった?」
美琴「実はさ…」
出来事を話し終える。
美琴「なんか裏切られた気分…」
修「でもさ、もえもえの気持ち一回でも考えたの?」
美琴(萌の気持ち…)
「だけど、不倫はよくないよ」
修「いけねーことしてるって分かってるから、美琴たちにずっと言えなくて、教師になるのも諦めたんじゃねぇの?」
美琴「…。」
修「美琴の言ってることは正しいと思うよ。だけどさ、正論だけじゃ人の気持ちは動かせねーよ」
美琴(確かにそうだ。分かってる、だけどモヤモヤしてしまう)
「というかさ、私たちがケンカする必要ないよね。付き合っても言い合いするとか嫌なんだけど」
投げやりな言い方。
修「なんか勘違いしてない?」
美琴「え?」
修「もちろん、ケンカしないに越したことはねーけど、思ってること言わず我慢してケンカにならねーのは仲良いとは違うだろ」
美琴(よしくんと付き合っていた頃の私は、ケンカにならないように本音を言わないことが多かった。ケンカ別れなんて嫌だって思っていたし、ケンカして絆が深まるなんて信じていなかった)
修「俺らって、ぶつかり合って終わる関係?」
首を横に振る美琴。
修「美琴とは、良いことも悪いことも本音で言い合える仲でいたい。そんで、お互いのこともっと知って、認め合って成長していきたいと思ってる」
美琴(そうだった。修はいつも、私の弱さも強さも全て受け止めて向き合ってくれる。それは付き合ってからも変わらない)
別日。
○大学、夕方
後輩「森下先輩!好きです。私でよければ付き合って下さい」
森下「ごめん。気持ちだけ受け取っておくね」
去っていく女子。
森下「!」
結菜が近くにいたことに気付く。
結菜「ごめん、たまたま居合わせちゃって…」
気まずそうな笑顔。
並んで歩く
結菜「モテモテだねー」
森下「いえいえ。あ、そうだ。今度映画見に行きません?」
結菜「何か観たいのがあるの?」
森下「いくつか気になってるのはありますが、結菜さんの観たいのでお願いします」
結菜「森下くんが観たいのにしようよ」
森下「わかりました。後でいくつか候補送っておきますね」
結菜「ありがとう」
機嫌の良さそうな森下の横顔を見る。
結菜「森下くんってさ…私のこと好きなの?」
森下「…そうですね、かなり」
結菜「かなりって」
立ち止まる森下。
森下「恋愛感情を3年ごとに更新する自信があるんですが…僕と付き合ってみませんか?」
結菜「ふふ…付き合ってみようかな」
数日後。
○街中、昼間
手を繋ぎ歩く美琴と修。
美琴「あ…」
何かに気づき足を止める。萌と彼氏のショット。
美琴(あんなに幸せそうなのに…)
修「モヤモヤするなら、ちゃんと伝えろよ」
美琴迷ってる。
修「もえもえー!」
萌が声に気づく。
萌「え、びっくりしたぁ」
近づく2組。
美琴(萌には萌の苦しみや迷いがあると思った。何を伝えることが正解か分からなかったけど、私なりに伝えなきゃ後悔する。可愛くて優しくて、心の広い萌に幸せになってほしい気持ちは嘘じゃないから)
彼氏に体を向ける。
美琴「あのっ!…萌は私たちの大切な友達です。…だから中途半端なことはそろそろ終わりにしてあげてください。カップルのことなのに勝手なこと言ってごめんなさい。だけど私は、純粋な気持ちで2人のこと応援したいんです」
萌の方を見る。
美琴「萌、この前は否定ばっかしてごめん。…萌は私なんかより何十倍、何百倍教師に向いてると思う。だから簡単に諦めないでほしい」
萌「みこちゃん…」
美琴「デートの邪魔してごめんね。じゃあ、また!」
立ち去る2人。
少し離れたところで立ち止まる美琴。下を向く。
ポン、美琴の頭に手を置く。
修「頑張りました」
萌と彼氏が歩いている。
萌「ごめんね、びっくりしたよねぇ」
萌の目線下に、彼氏の左手アップ。
萌(出会った時から、彼の左手薬指に指輪はなかった)
○萌のバイト先の喫茶店、過去回想
冬、萌2年生。
カウンター席の端に座る彼氏、横顔。
萌(あの人、この前も見かけたなぁ)
窓の外に雪がチラついている。
コンッ
萌がホットコーヒーをテーブルに置く。
彼氏「え…」
萌「今日は寒いので、マスターからのサービスです」ニコッ
彼氏少し頬染まる。
萌(それからお客の少ない日は、マスターを交えながら他愛ない話をするようになった)
喫茶店で話すショット。
彼氏「萌ちゃん、今度良かったら出かけない?」
萌「…はい」嬉しそうな顔。
萌(それから何度か外で会い、告白され付き合うことになった)
付き合ってしばらく経ち
彼氏「ごめん、実は俺…結婚してるんだ…」
萌「…え…結婚?」
言葉を失う。
萌(結婚生活は破綻し、1年以上別居していると言われても、彼が既婚者なことに変わりはなかった。まさか自分が不倫するなんて…)
○再び現在
萌「ねぇ、そろそろちゃんと話さない?」
彼氏「うん、そうだね…」