全部、俺のものになるまで
「ああ……そこ……もう……っ」

甘く舌でなぞられるたびに、奥がうずく。

社長の唇が、舌が、私の秘部に夢中になっている。

「甘い。君の蜜は……甘くて、もっと欲しくなる。」

掻き乱すような愛撫と、低く囁く声が、心の奥にまで届いて──

私は、完全に彼のものになっていくのを感じていた。

体が、ピクッと跳ねた。

奥まで貫かれた熱に、理性が一瞬で溶けていく。

この身体はもう──完全に、社長に支配されていた。

「はぁ……はぁっ……」

浅くなる呼吸の中、耳元で囁くように言われた。

「今度は……俺を、悦ばせてくれ」

低く、抑えた声。けれどその奥には、どうしようもない欲望が渦巻いていた。

入り口に押し当てられた熱が、ゆっくりと、ぐっと奥まで差し込まれる。

「ああ……咲……」

呼び捨てで名前を呼ばれた瞬間、胸の奥が震えた。
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