全部、俺のものになるまで
「おまえさ……俺を誘ってる?」

低く掠れた声。問いかけに、あえて返事はしなかった。ただ、課長の視線を真っ直ぐに受け止める。

次の瞬間、キス。熱い唇に息を奪われ、そのまま抱き上げられて寝室へ。

ふわりとベッドに押し倒されると、真面目なはずの瀬戸課長が、熱を帯びた瞳で私を見下ろしていた。

「我慢、できねえよ……」

ネクタイを外し、シャツを脱ぐその動作さえも、目が離せなかった。

大人の男の色気が、肌から滲み出ている。

「おまえ、自分がどれだけいい女か……分かってる?」

ううん、と首を振ると、課長はわずかに笑って、優しく囁いた。

「分からせてやるよ。おまえが、どれだけ俺を狂わせてるか。」

そう言って、また深くキスをされた。その熱に、とろけていく――。
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