全部、俺のものになるまで
15分後、バスルームから出てきた陽翔は、腰にバスタオルを巻いたまま、濡れた髪をタオルで拭きながらリビングに現れた。

「ごめん。ドライヤー、借りちゃった。」

「うん……いいよ。」

私の声が、少しだけ上ずる。

年下のはずなのに、陽翔はもうすっかり“男”で、私はなんだか落ち着かない。

それでも、お互い少し照れたように笑い合った。まるで、恋人同士みたいに。

「お茶、淹れようか?」

立ち上がろうとした瞬間、背中に陽翔の腕が回る。

ぎゅっと、優しくて、でも確かに求めるように。

「もう一度……ゆかさんが欲しい。」

その低く落ち着いた声に、心が震えた。

呼吸が浅くなる。

「ベッドに行こう。」

囁かれた言葉に、拒む理由なんてもうなかった。

手を引かれるまま、私は静かに頷いた。

ベッドの縁に座った私の頬に、陽翔の指がそっと触れる。
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