全部、俺のものになるまで
「ねえ、湊。」

「ん?」

私たちは並んで座ったまま、手を繋いでいる。

指先はもう、何度も絡め合ってきたはずなのに、今日のこの瞬間は、なぜか特別に思える。

私はそっと、湊の肩に頭をもたれさせた。

「もっと、湊を感じたいな。」

一言ずつ、噛み締めるように言うと、湊の手が少しだけ強く私の手を握った。

「もっと?」

その問いに、私はうなずくかわりに、湊の胸元に顔を埋めた。

もっと一緒にいたい。朝も、昼も、夜も――私の全部で、湊を感じていたい。

言葉にできない思いを察してくれたのか、湊の手がそっと私の頬に触れた。

指先はゆっくりと、輪郭をなぞっていく。

湊は私の頬に手を当てると、ゆっくりと指先を滑らせた。

その優しさに、胸がきゅっとなる。

「……おまえ、そんなこと言われたら……抑えられなくなるよ?」

湊の声が、少しだけ低くなっていた。

私はその変化にドキリとして、でも逃げなかった。
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