全部、俺のものになるまで
寝る前、ベッドに横になっていたら、スマホが小さく震えた。

画面には湊の名前。

『おやすみ、奈々。いい夢見ろよ。』

短いけれど、あたたかい言葉に胸がきゅんとする。

こんな風に毎晩、湊から連絡が来るのかな。

そんなことを思ったら、もう少しだけ、甘えたくなった。

『ねえ……明日も会える?』

送ってから、ちょっとドキドキする。

まだ付き合い始めたばかり。こんな風に聞くのは、重いかな――

でも、返事はすぐに届いた。

『会えるよ。奈々に毎日会いたいし。顔見れたら元気出る。』

たったそれだけで、胸の奥がじんと温かくなる。

思わずスマホの画面をぎゅっとおでこに当てた。

「……ふふ、好き……」

ぽつりと零れた言葉は、誰にも聞かれない秘密。

好きな人に“毎日会いたい”って言われるなんて――

しかも、その人が私の彼氏だなんて。

夢じゃないのかな。

でも、スマホの中の彼の文字は、確かにここにあって。

私は嬉しくて、何度もその言葉を読み返した。
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