全部、俺のものになるまで
そして、和臣さんがTシャツを脱ぐ。

鍛えられた胸元があらわになり、目の前が熱を帯びる。

その肌が、私の肌にふれた瞬間──背筋を震わせるような感覚が走った。

「本当に……抱くよ。いいの?」

低く、耳元で囁く声に、私はただ頷いた。

「……本当はね、ずっと欲しかったの。和臣さんのこと。」

その言葉が合図になったかのように、和臣さんが優しく私の唇を塞ぐ。

キスの合間に、肩から胸へ、指先がそっと滑る。

「ふぁ……っ」

思わず漏れた声を、和臣さんが愛しそうに笑う。

「かわいい……俺の心音。」

その言葉と共に吐き出された熱い吐息が、私の耳をくすぐる。

――ああ、欲しがられてる。

私という女を、和臣さんが確かに求めてくれている。
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