全部、俺のものになるまで
翌朝、カーテンの隙間から差し込む光で目が覚めた。

ぼんやりと目を開けると、すぐ隣に、和臣さんの寝顔があった。

「……おはよう、心音。」

眠そうな声が、耳にやさしく響く。

私は恥ずかしさに耐えられず、毛布で顔を隠した。

「おはよう……」

それでも、そっと覗いた顔に、和臣さんが笑ってくれる。

そして、おでこに優しいキスを落とされた。

「ねえ、私たち……恋人になったの?」

そう尋ねると、和臣さんは即答した。

「そうだね。」

その一言だけで、胸がきゅうっと締めつけられた。

嬉しくて、信じられなくて、でも確かに幸せで。

「心音。」

名前を呼ばれるだけで、胸が高鳴る。

次の瞬間、和臣さんにぎゅっと抱きしめられた。

「ああ……」

背中にまわされた腕の強さと、包まれる安心感。

また、あの鼓動が聞こえてくる。

何度も、私を守ってくれた音。

それだけで、心が満たされていく。

この朝が、ずっと続いてくれたらいい。

そう、思わずにはいられなかった――。
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